賃貸の火災保険、管理会社指定は高すぎる|安くする方法と加入前に絶対確認すべき落とし穴

この記事で分かること

  • 賃貸の火災保険は自分で選べる
  • 自分で保険を選ぶ場合の加入の流れと手続きの手順
  • 安い保険会社と注意点
  • 手続きが楽なのは管理会社指定の保険
  • 現場で実際に起きたトラブルの実例

賃貸の火災保険は自分で選べる

賃貸の初期費用をなるべく抑えたいとき、火災保険の項目が気になる方も多いのではないでしょうか。

実は、貸主や管理会社で火災保険を指定することはできず、あくまで推奨にとどまります。

もし火災保険が指定できるなら、保険会社と貸主が手を組んでどこまでも値を吊り上げてしまうことができてしまいますからね……

管理会社指定への加入は義務ではない

指定保険への強制加入は違法ですが、入居にあたり火災保険への加入が必須です。つまり、自分で選んだ保険に加入さえしていれば違法性は全くありません。

とはいえ、火災が起きた際に満足な補填が見込めないときたら、大家さんも困ってしまいます。そこで、多くの場合で火災保険の補償金額や項目の基準があります。

自分で選ぶメリットとデメリット

自分で火災保険に加入する場合、費用が安くなる反面手続きの手間と確認すべき条件があります。「自分で選べる=必ずしも得をする」わけではないことに注意が必要です。

 管理会社指定自分で選ぶ
手続きの手間ほぼなし条件確認、保険証券の提出
費用割高安くなる場合あり
補償条件の確認不要必要
加入の管理不要必要な場合あり

加入の流れ

火災保険加入の流れは以下の通りです。

ステップやること期限・注意点
物件を決める
管理会社に補償内容の条件、保険開始日を確認する仲介経由で必ず確認。会社ごとに項目名が若干異なる場合も
条件を満たす保険を選ぶ条件を満たす保険かどうか必ずチェック
管理会社にプランを確認・承認をもらうここを飛ばすと入り直しになることも
支払い・加入手続き完了発行まで数日かかる場合あり
証券のコピーまたはスクリーンショットを提出契約開始日前日までの提出が必須。これがないと鍵を受け取れない
鍵の受け取り・入居

ベストな保険比較表

賃貸向け火災保険 比較表

1LDK・築20年前後を想定|現役仲介マン監修

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日新火災お部屋を借りるときの保険 三井住友海上GK すまいの保険 全管協少額短期保険安心保険プラスⅢスーパー 管理会社指定保険(代理店・各社)
種別 損害保険 損害保険 少額短期保険 損保・少短 混在
契約期間 1年のみ 1年・2年 1年・2年 1年・2年
保険料目安(年間) 3,500円〜最安水準 7,500〜10,000円程度代理店経由のため幅あり 管理会社・プランによる 6,000〜15,000円程度物件・補償内容で大きく変動
借家人賠償責任 2,000万円固定変更不可 プランにより変更可 3,000万円※合算個人賠償と合算上限 プラン指定可管理会社が条件を指定
個人賠償責任 1億円固定・必須取り外し不可 オプション選択可 3,000万円※合算借家人賠償と合算上限 プラン指定可
家財補償 50万〜2,000万円 プランにより選択可 プランにより選択可 プランにより選択可
修理費用 300万円固定・必須 オプション選択可 あり プランにより異なる
補償内容のカスタマイズ ほぼ不可 プラン指定可 管理会社が指定
ネット申し込み 不可(代理店経由) 管理会社指定
大手管理会社での
使いやすさ
厳しい借家人賠償2,000万円固定・1年契約が理由 問題なし 問題なし指定保険として使われることが多い 問題なし
個人オーナー・
地場管理会社
問題なし 問題なし 問題なし 問題なし
更新時の未加入リスク 生じやすい1年契約のため更新忘れに注意 生じにくい 生じにくい 生じにくい
仲介マンの総評 安いが使える場面が限られる。ゆるい個人オーナー物件向け 補償の柔軟性が高く大手管理会社でも通りやすい 充実のプラン。内容確認を 費用が割高になりやすいが手続きが楽。条件は自動で満たす
⚠️ 加入前に必ず確認を。管理会社が指定する補償条件(借家人賠償の金額・個人賠償の有無など)は会社ごとに異なり、項目名も異なる場合があります。自分で選ぶ場合は仲介経由で管理会社に条件を確認してから申し込んでください。保険料の実額はプラン・物件条件によって大きく変わるため、必ず見積もりを取って比較してください。

賃貸向け保険で最安水準

日新火災の賃貸向け保険「お部屋を借りるときの保険」は保険料が安く、自分で選ぶ場合の候補として現場でもよく挙がります。

しかし、日新火災の賃貸向けプランは1年契約のみなので、更新のタイミングで手続きが遅れると未加入期間が生じるリスクがあります。

この空白期間を嫌がる管理会社は火災保険の期間を2年で指定してくる場合が多いです。そのため、「お部屋を借りるときの保険」を使えるのは個人オーナーの物件や地場の小さな管理会社の物件に集中するという注意が必要です。

その他で費用を抑えられる火災保険としては、PayPay保険などがあります。

このように、火災保険には、加入条件や保証金額の項目・金額の指定がある場合がほとんどです。

仲介メモ

管理会社ごとに要求する補償内容・金額・用語が異なる。加入前に仲介経由で必ず確認する。確認せずに加入すると条件を満たさず入り直しになる。

よくある指定条件の目安

補償項目必須かどうか目安金額
借家人賠償責任必須一人暮らし用、築20年前後で2,000〜5,000万円
個人賠償責任必須になるケースが多い1億円程度が一般的
家財補償まれ物件・管理会社による
修理費用まれ物件・管理会社による

※人数が増えると要求補償額が上がり保険料も高くなる。物件の広さより人数のほうが保証金額に影響するので注意が必要。
※保険の項目名は会社ごとに異なるため、必ず仲介経由で確認すること。


火災保険加入の期限、注意事項

火災保険証券がないと鍵を受け取れない

入居日までに加入証明(証券)を提出できない場合、鍵の引き渡しを受けられない。

「手配が間に合わず、入居日に鍵がもらえなかった」は現場で実際に起きるトラブル。自分で選ぶ場合はどんなに遅くとも入居日の2営業日前には手続きを完了させておく必要がある。

仲介メモ

契約開始日前日に管理会社から仲介業者の鍵の引き渡し、当日に仲介業者から入居者に鍵の引き渡し、というパターンが多い。

管理会社から直接鍵を受け取る形式の契約は1%もないため、仲介業者が確実に鍵を用意できるよう、余裕をもって2日前までには保険証券を提出しておきましょう。

既存の保険を継続できるケースもある

すでに加入している保険が条件を満たしている場合、住所変更をしてそのまま使えることがあります。

ただし非常にまれなケースのため、まず管理会社に確認することが前提です。


実際のケース

実例① プランの選び間違いで直前に詰んだケース

ファミリー物件への入居を控えたお客様から「火災保険は自分で手配したい」との申し出があったケースです。こちらから推奨の保険会社とプランを案内したところ、「同じ保険会社でもっと安いプランがある」と別プランで申し込んでいただきました。

ところがそのプランは単身者向けの設定で、ファミリー物件に求められる補償額を満たしていませんでした。管理会社への確認の結果、そのプランでは条件を満たさないことが判明。入居直前のタイミングで急きょ管理会社指定の保険に切り替えることになりました。

同じ保険会社の商品であっても、プランが違えば補償内容は別物です。安いプランを選ぶ前に、管理会社が求める条件を満たしているかどうかの確認が必須です。


実例② 証券の提出を後回しにして引越しが1週間ズレたケース

入居日当日、証券の提出を求める催促の連絡に対応しないまま鍵の受け取りに来られたお客様がいました。

証券の提出が確認できないため、当然その場での鍵の引き渡しはできません。

その日は土曜日。管理会社の窓口が土日を挟んで月曜日まで対応できない状況で、鍵の受け取りは月曜日以降になりました。ところがお客様はすでに土日に引越し業者の手配を済ませていましたおり、業者の日程変更に余計なコストと手間だけが残る結果になりました。

証券の提出は入居日前日、基本は2日前までが絶対条件です。「あとで出せばいい」という認識が、引越し全体のスケジュールを狂わせることがあります。

実例③ とにかく安い保険に入ったら入り直しになったケース

管理会社への確認なしに、とにかく保険料が安い保険をご自身で契約されたお客様がいました。ところがいざ証券を提出したところ、補償内容が管理会社の指定条件を満たしていないことが発覚。解約して入り直しが必要になりました。

保険の開始前だったため保険料は返金されましたが、返金処理には時間がかかります。結果的に「管理会社に言われた保険にそのまま入ればよかった」というお客様の言葉が印象的でした。

自分で選ぶことで節約できる可能性はありますが、順番を間違えると、節約どころか手間とコストだけが増える結果になります。

このように、保険の加入は意外と手間がかかります。

簡単な交渉で他の初期費用を減らした方が、コストと手間のバランスが取れているかもしれません。


まとめ:火災保険を自分で選ぶ前の確認手順

やるべきこと(フロー)

  1. 仲介業者から管理会社に必要な補償条件を確認してもらう
  2. 条件を満たせる保険を探す
  3. 契約期間が賃貸借契約と合っているか確認する
  4. 契約開始日の2日前までに支払・加入・証券取得を完了させる
  5. 証券を提出して鍵の受け取りへ

自分で選ぶこと自体は問題ないのですが、「選べる」と「得をする」は別の話で、条件確認と手続きのタイミングを間違えると余計なトラブルになりかねません。

管理会社指定の保険が割高に見えても、基準がしっかりした物件の場合は手間とリスクを考えると一概に損とは言えないかもしれません。


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